タクシー・バス・トラック、どれを選ぶ免許・勤務・年齢・賃金を一枚で
同じ「運転の仕事」でも、必要な免許、1日の組み立て、職場の年齢構成は大きく違う
同じ「運転の仕事」でも、必要な免許、1日の組み立て、職場の年齢構成は大きく違う。タクシーは20代でも年収換算が約483万円で年齢による差が小さく、バスは賞与が相対的に多い。大型トラックは平均の年収換算が最も高いが、残業代の比重も大きい。公的統計と法令をもとに、4つの仕事を横に並べた。
| トラック | タクシー | バス | 倉庫・フォークリフト | |
|---|---|---|---|---|
| 必要な免許・資格 | 車の大きさで普通・準中型・中型・大型(第一種) | 普通二種+運転者登録 | 大型二種(路線バス)、中型二種(マイクロバス) | ピッキング等は不要。フォークリフトは技能講習(1t以上)か特別教育(1t未満) |
| 入社後の初任指導 | 座学15時間以上+実技20時間以上 | 6時間以上 | 乗合6時間以上/貸切10時間以上+実技20時間以上 | — |
| 勤務の形 | 地場・中距離・長距離。長距離は宿泊を伴う | 日勤か隔日勤務(1回で2日分働き、翌日は明け休み) | 早番・遅番。路線バスは中休みの入る勤務がある | 職場により早朝・夜間のシフトがある |
| 月の拘束時間の上限(原則) | 284時間 | 日勤288時間/隔勤262時間 | 281時間 | 一般の時間外上限(月45時間・年360時間が原則) |
| 平均年齢 | 51.5歳(大型) | 56.8歳 | 56.0歳 | 46.3歳 |
| 30歳未満の割合 | 3.8%(大型) | 4.0% | 2.0% | 12.8% |
| 60歳以上の割合 | 19.7%(大型) | 43.0% | 36.4% | 13.5% |
| 女性の割合 | 2.9%(大型) | 6.0% | 3.9% | 21.5% |
| 年収換算 | 約507万円(大型) 約449万円(大型以外) | 約451万円 | 約453万円 | 約407万円 |
| 年間賞与 | 43.0万円(大型) | 19.8万円 | 59.0万円 | 50.7万円 |
| 有効求人倍率 | 道路貨物運送業 2.18倍 (2023年度・国交省) | 3.50倍 (2024年・国交省) | 2.12倍 (2024年・国交省) | 運搬従事者 1.08倍 (2025年度・厚労省) |
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月公表。年齢・割合・賃金は一般労働者、企業規模10人以上。割合と年収換算は本紙が計算)、同「改善基準告示」(2024年4月1日適用)、国土交通省 指導監督の指針(告示第1366号・第1676号)、自動車運送業分野の特定技能の運用方針(2026年1月23日閣議決定。業種別の求人倍率)、厚生労働省「雇用関係指標(年度)2025年度」。倉庫は「その他の運搬従事者」(倉庫作業員・荷造工・配達員など)の値。国交省と厚労省の求人倍率は定義が違い、並べて比べることはできない。
一トラック:平均の年収換算はいちばん高い
営業用大型トラックの年収換算は約507万円で、4つの中では最も高い。ただし月の超過労働は33時間と長く、給与のうち約8万円が残業代などだ。一口にトラックといっても、近場を回る地場配送、日帰りの中距離、宿泊を伴う長距離で生活は大きく変わる。
準中型免許(車両総重量7.5トン未満)は18歳から取れるため、高校を出てすぐ小型・中型の配送から始め、特例教習を使って19歳以降に中型・大型へ進む道もある。見学では、荷待ちの長さや手積み・手降ろしの有無を確かめたい。
二タクシー:年齢による差が小さい
タクシーの年収換算は約451万円。目立つのは年齢による差の小ささで、20〜24歳、25〜29歳とも約483万円、30〜34歳は約518万円だった。賞与は年19.8万円と少なく、月の給与に歩合が入る会社が多いとみられる。
フルタイムの43.0%が60歳以上、26.3%が65歳以上と、年齢層は高い。女性の運転者は全国ハイヤー・タクシー連合会の調べで1万4,388人(2026年3月末)。勤務は、朝から夕方の日勤と、1回の出勤で2日分働いて翌日を「明け休み」にする隔日勤務がある。
2024年3月には、タクシー会社の管理の下で一般のドライバーが自家用車で客を運ぶ「日本版ライドシェア」が始まった。第一種免許(初心運転者期間を除く)でも、無事故などの条件を満たせば従事できる。国交省によると2025年8月17日時点で141地域、登録ドライバーは9,518人。タクシーが足りない地域・曜日・時間帯に限られた仕組みで、報酬水準の公的なデータは見つからなかった。
三バス:決まった路線、賞与は運転職で多め
バスの年収換算は約453万円。賞与は年59.0万円で、運転の仕事の中では多い。路線バスは朝夕のラッシュに合わせて走るため、始業から終業までの間に中休みが入る勤務があり、中休みも拘束時間に数えられる。
30歳未満はわずか2.0%で、60歳以上が36.4%。賃金構造上の「バス運転者」には送迎バスやスクールバスも含まれ、パートで働く人も多い(推計3万4,390人、平均67.4歳)。路線バスは地域によって減便・廃止が続いており、勤務の安定には路線の再編予定も関わる。
四倉庫:未経験から入りやすく、若い人も多い
倉庫作業を含む「その他の運搬従事者」は、平均46.3歳で30歳未満が12.8%、女性が21.5%と、運転の仕事より若く女性も多い。年収換算は約407万円と低めだが、超過労働は月16時間と短い。求人倍率は1.08倍でドライバーほどの人手不足ではないが、ピッキングや検品など資格なしで始められる仕事が多い。
フォークリフトの資格を取ると仕事の幅が広がる。詳しくは「倉庫・フォークリフトの仕事」で。
- 自動車整備・修理28.4%
- 倉庫作業等(運搬)12.8%
- トラック(大型以外)5.6%
- タクシー4.0%
- トラック(大型)3.8%
- バス2.0%
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第5表(2026年3月公表)から本紙が推計労働者数で計算。企業規模10人以上。
五どう選ぶか
数字から言えるのは、それぞれの職場の「平均的な姿」までだ。同じタクシー会社でも、営業エリアや配車アプリの比率で収入は変わり、同じ運送会社でも運ぶ荷物と荷主で1日の流れは違う。統計の平均で候補を絞ったら、あとは実際の職場で確かめるのがいちばん早い。
確かめたいことは「職場見学で確認すること」にまとめた。車両を整備する側の仕事は「自動車整備士の求人倍率は4.04倍」で紹介している。
出典
- 令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・短時間労働者 職種別 第1表・第5表、都道府県別 第3表)
- トラック運転者の改善基準告示
- ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示
- バス運転者の改善基準告示
- 貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針(平成13年国土交通省告示第1366号)
- 旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針(平成13年国土交通省告示第1676号)
- 自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針
- 日本版ライドシェア、公共ライドシェアの取組状況
- 雇用関係指標(年度)2025年度 第4表・第5表・第10表
- 労働安全衛生法施行令 第20条第11号/労働安全衛生規則 第36条第5号・第151条の21
取得日はいずれも2026年9月25日。年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で本紙が計算した推計値です。制度の内容は変わることがあります。手続きの前に、各機関の最新の案内を確認してください。
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