第1号発行 クーラ編集部

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クーラ運転手新聞

トラック・タクシー・バス・倉庫の仕事を、数字と制度で読む

賃金職場

自動車整備士の求人倍率は4.04倍運転の仕事の「となり」にある職場

整備士がいなければ工場は続けられない。賃金は経験とともに上がるカーブ

運送会社やバス会社の車庫には、車両を整備する人がいる。自動車整備士を含む「機械整備・修理従事者」の有効求人倍率は2025年度に4.04倍で、自動車運転従事者(2.58倍)よりも高い。整備士は国家資格で、整備工場は一定の割合で整備士がいなければ認証を保てない。運転の仕事の「となり」にある職場を数字で見る。

一運転より高い求人倍率

ハローワークの「機械整備・修理従事者」の有効求人倍率は、2023年度4.21倍、2024年度4.13倍、2025年度4.04倍。パートを除くと4.50倍になる。自動車以外の機械の整備も含む区分で、自動車整備だけの値はないが、自動車運転従事者(2.58倍)より高い。都道府県別では新潟7.48倍、東京6.18倍、福井6.15倍が高く、沖縄1.84倍が最も低い。

日本自動車整備振興会連合会(日整連)の調査では、2025年6月末の整備要員は40万2,367人で、うち整備士の資格を持つ人は33万3,475人。整備要員の平均年齢は47.7歳で、2020年の45.7歳から毎年上がっている。

二賃金は経験とともに上がる

賃金構造基本統計調査(2025年)から計算した自動車整備・修理従事者の年収換算は約504万円で、平均年齢は40.6歳。30歳未満が28.4%を占め、運転の仕事(2〜6%)よりずっと若い。年齢別では20〜24歳の約361万円から、50〜54歳の約598万円まで上がる。30代後半から横ばいになる大型トラックとは、カーブの形が違う。

日整連の実態調査の平均年収(給与・手当・賞与)は約443万円で、ディーラー約535万円、兼業の工場約420万円、専業の工場約396万円と、職場の種類で差がある。賃金構造基本統計調査は企業規模10人以上が対象で、小さな町工場の多くは入っていない。どちらの数字かを分けて見る必要がある。

図1年齢別の年収換算:自動車整備と大型トラック(2025年、万円)
  • 整備 20〜24歳361万円
  • トラック 20〜24歳446万円
  • 整備 30〜34歳492万円
  • トラック 30〜34歳512万円
  • 整備 40〜44歳578万円
  • トラック 40〜44歳527万円
  • 整備 50〜54歳598万円
  • トラック 50〜54歳532万円

出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第5表(2026年3月公表)から本紙が計算。トラックは営業用大型貨物自動車運転者。

三資格の取り方は3つ

自動車整備士は国土交通省の技能検定による国家資格で、一級・二級・三級・特殊がある。日整連によると、取り方は主に3つだ。

  • 一種養成施設(国が指定する整備専門学校など): 二級課程は1,800時間・2年以上、三級課程は900時間・1年以上。修了すると実技試験が免除される。
  • 二種養成施設(各地の自動車整備振興会の技術講習所): 実務経験のある人向け。修了で実技試験が免除される。
  • 実務経験: 整備工場で働きながら経験を積み、三級を受ける。三級合格後、さらに実務経験を積んで二級へ。

資格がなくても、整備の補助や洗車、タイヤ交換などの仕事はできる。働きながら資格を取る道があるかどうかは、職場ごとに確かめたい。

四整備士がいないと工場を続けられない

九州運輸局の資料によると、分解整備などを行う「認証工場」は、工員2人以上で、うち1級または2級の整備士が1人以上、工員に占める整備士の割合が4分の1以上という基準がある。民間車検場の「指定工場」は工員4人以上、整備士の割合3分の1以上だ。整備士の採用難は、工場が続けられるかどうかに直結する。

仕事の中身も変わりつつある。車検に電子装置の検査(OBD検査)が加わり、国産車は2024年10月1日、輸入車は2025年10月1日から始まった。対地電圧50ボルトを超える蓄電池を積んだ車の整備は、労働安全衛生規則で特別教育が必要な業務とされている。運送会社やバス会社にも自社の車両を整備する工場(自家工場)があり、運転の仕事の「となり」にある職場の一つだ。

出典

  1. 雇用関係指標(年度)2025年度 第4表・第5表・第10表(厚生労働省、2026年5月29日公開)。都道府県別の値は受理地・パートを含む常用で、本紙が計算
  2. 一般職業紹介状況 長期時系列表 第21表(職業別有効求人倍率)(厚生労働省、2026年8月28日公開(2026年7月分まで))
  3. 令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・短時間労働者 職種別 第1表・第5表、都道府県別 第3表)(厚生労働省、2026年3月公表)。年収換算(きまって支給する給与×12+年間賞与)は本紙の推計で、厚労省の公表値ではない
  4. 令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について(日本自動車整備振興会連合会、2026年1月30日)。調査時点 2025年6月30日。会員事業場の2割抽出からの推計
  5. 自動車整備士になるには(日本自動車整備振興会連合会、取得日 2026年9月25日時点の掲載)
  6. 自動車整備分野における人材確保に係る取組(国土交通省 物流・自動車局 自動車整備課、2024年3月1日)
  7. 自動車の整備の現況「自動車整備事業の認証・認定・指定制度の概要」(九州運輸局、公表年月は未確認)
  8. 自動車の電子的な検査(OBD検査)について(国土交通省、国産車 2024年10月1日・輸入車 2025年10月1日開始)
  9. 労働安全衛生法施行令 第20条第11号/労働安全衛生規則 第36条第5号・第151条の21(e-Gov法令検索、現行法令)

取得日はいずれも2026年9月25日。年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」で本紙が計算した推計値です。制度の内容は変わることがあります。手続きの前に、各機関の最新の案内を確認してください。

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